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棚橋弘至 武藤敬司に言われた「プロレスを壊すなよ」の意味

『ケトルVOL.46』(太田出版)より
『ケトルVOL.46』(太田出版)より
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『ケトルVOL.46』 KUSHIDA、オカダ・カズチカ、ケニー・オメガ、タイチ、内藤哲也、棚橋弘至、永…ほか

今年1月4日に行われた新日本プロレスの東京ドーム大会で、棚橋弘至がケニー・オメガを撃破し、IWGP王座に返り咲いた。かつては「新日本のプロレスラーらしくない」とブーイングを浴びた時期もあった棚橋が“新日本のエース”として認められるようになったのは2009 年のこと。東京ドームのメインイベントで武藤敬司と対戦し、全日本の社長として君臨していた武藤を初めて破ったことで、観客に“棚橋時代”の到来を予感させたが、本人にもその認識はあったのだろうか? 『ケトルVOL.46』で、棚橋はこう語っている。

「試合後のことも覚えていますよ。マイクをつかんで、『中邑真輔! 新日本のエースはな、1人でいいんだよ!』と叫んだんです。中邑からしてみたら迷惑な話で、『オレはエースって名乗ったことはねえよ』と思ったでしょう(笑)。でも、あそこで同世代の中邑を相手に“エース対決”をぶち上げて、次の両国大会で勝ったことで、僕は“新日本のエース”という称号を手に入れた。だから、確かに武藤さんと闘ったイッテンヨンが転機だったんだと思います」

棚橋は新日本時代の武藤の付き人をしており、この一戦はいわば“師弟対決”。その重要な一戦で勝利を収め、“師匠超え”を果たしたものの、まだブーイングは鳴り止まず、本人も悩まされたという。

「やっぱり、当時はきつかったですね。この1年くらい前に武藤さんに言われたことがすごく印象的で。『棚橋、プロレスを壊すなよ』って言われたんです。『オレだってブーイングをもらいたいわけじゃないし……』とは思いましたけど、確かに武藤さんの言葉は正しいんですよ。

ベビーフェイスがブーイングされてしまったら、ヒールとの対立軸が消えてしまう。対立軸がなくなったらお客さんが何を応援すればいいかわからない。それが武藤さんの『プロレスが壊れる』という言葉の意味で、今の僕の考え方に近いんです。めちゃくちゃ突き刺さった言葉でしたけど、武藤さんのプロレスに対するサイコロジーと自分が近いとわかったことは嬉しかったですね(笑)」

ブーイングが歓声に変わったのは、同年6月20日に行われた大阪大会のこと。IWGPヘビー級王座を懸けた中西学との一戦だった。

「5月に中西さんに負けて、そのリマッチでした。中西さんは42歳にして初めてチャンピオンになったこともあり、完全に会場の雰囲気は『中西を応援しよう!』となっていて。いつにもまして僕は激しいブーイングを受けました。でも、これが試合中に段々と変わっていったんですよね。カラダの大きい中西さんに何度やられても向かっていく姿勢が良かったのか。途中から『ナカニシ』に混じって『タナハシ』コールが聞こえるようになりました。

僕が勝った瞬間には『タナハシ』コール一色。会場が完全に一体となったんですよ。試合前はブーイングだったけど、終わってみれば大歓声。僕にとっては初めてのことで、すごく不思議な感覚でした。しかも、大阪はブーイングが一番すごい地域だったんですね。でも、この次のシリーズでは最初から歓声になっていて。試合中にキャリアの分岐点が来たんです」
 
こうして“エースとしての不動の地位を確立した棚橋は、2019 年のイッテンヨンで10回目となる東京ドーム大会のメインイベンターを務め、見事に王座に復帰。キャリアが20年で、そのうちの半分もドームのメインをやってきた棚橋は、「そもそも20代から始まっていますからね。こうやって振り返ると……、よくストレスで禿げなかったと思います(笑)」と語っている。

◆ケトルVOL.46(2018年12月15日発売)

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