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太田出版ニュース

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太田エロティック・マンガ賞にご応募いただきありがとうございました。約2年ぶりとなりましたが、さまざまな作品が集まりました。今回は大賞、入選、佳作の受賞作なし、奨励賞2作という結果になりました。応募へのお礼を込めて、最終選考に残りつつ辛くも奨励賞受賞とならなかった方への講評もお届けします!

【2016年上半期】太田エロティック・マンガ賞
審査員:山本直樹、本誌編集部
賞金:大賞 40万円、入選 20万円、佳作 10万円、奨励賞 3万円
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奨励賞 賞金3万円

下呂河童
「Jung Trau ~乙女~」
20p

【あらすじ】
二人きりで暮らす兄妹のマキ夫とチエコ。
父は亡くなり、母は男を求めて家を出てしまった。
手を荒らして家事をするマキ夫を尻目に、
年頃のチエコの関心は別のところに……。

  • レビュアー
    山本直樹 講評

    デコラティブな絵が見ていて本当に楽しいし、描いている本人も楽しそう。絵力があって描き込みもすごいです。その部分を奨励したいです。この文体のままで、面白くて普通じゃなくて、なおかつ読ませるストーリーが描けたらすごいものに仕上がるんじゃないでしょうか。

奨励賞 賞金3万円

青りんご
「おいしい昔話」
37p

【あらすじ】
浦島太郎が亀に誘われ竜宮城に行くと、
そこには美貌の王子たちがいた。
浦島はめくるめく饗宴を謳歌するが…。

  • レビュアー
    山本直樹 講評

    魅力的でちゃんと読ませる絵だし、とにかく描きたいように描いている!という楽しさが伝わってきました。キャラクターもそれぞれちゃんと個性があります。そして、ちゃんとチンコを描いてるっていうのはいいですね。省略したり雑に描いちゃったりすることが多いなかで、ちゃんと描きこんでいるのはとてもいい。

総評

  • レビュアー
    山本直樹 講評

    今回はお話がなかったり簡単すぎたりする作品が多かったです。
    かと言って、トリックがあったり伏線を張ってあったりすればそれでいいわけではなくて、読ませる力のあるお話が欲しいということです。今回はお話をきっちり作っているひとも、飛躍がなくて「普通さ」を感じました。僕はマンガを読んでびっくりしたいのです。「突飛」というだけの意味ではなく、作り込まれた物語を読むのも、とんでもないエロシーンもまた「びっくり」なわけです。
    僕は、自分が読みたいものを自分で描きたいし、つまんない展開は描きたくないと思っています。描いていて「あーここつまんねえな」と感じるところは変える、省略する。ネームまで終えた状態で、早く描きたいなあと思いながら、そのひとつの話のことを集中して考えていると、ネットやテレビや本で読んだり見たりしたものがきっかけでディテールを思いつきます。ずっと考えているとなにかお化けのようなとんでもないもの(アイディア)が出てくることがあるんです。
    だから、自分の描く漫画を好きになって、描く前にもうちょっと考えましょう。新人なんだから僕らの倍考えろってことで。

最終選考通過作品

古厩勲
「ショートコント「豆腐」」16p
【講評】エロではないけどわかりやすいしオチもあります。

ヨシサト
「高速の上の外道モノ」40p
【講評】ストーリーがあって2時間サスペンスっぽいけど、もっと意外性がほしいです。絵や会話の魅力など、もう一味あればいいと思います。

藤ふみ
「仮想バイアス」14p
【講評】絵で魅力を出せるはずのところを、割とあっさり描いてしまっています。この絵柄であればもう少し(編集部注:画面が)黒いほうがいいと思います。

文秋水
「マジカル日よう日」47p
【講評】ちゃんとエロいし絵もかわいい。でもこのページ数ならもっといろいろできたと思います。個人的にはもっとインモラルになってもいいと思いました。

青柳七生
「沈黙の花」20p
【講評】安定感がありますが、絵で魅せてエロくしてドキドキさせる…という勝負をしましょう。話の展開にももうひとひねりを。


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