ガンダム名台詞「あんなの飾りです」 ジオングの足は本当に飾りなのか
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ガンダム名台詞「あんなの飾りです」 ジオングの足は本当に飾りなのか

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『ケトル VOL.35』 ナイツ、大河原邦男、天野喜孝、宮河恭夫、川村元気、布川郁司、片渕須直、石井朋彦、神山…ほか

『機動戦士ガンダム』ファンならば、「同作のなかで好きなロボットは?」と聞かれたら「ジオング」と答える人は少なくないでしょう。ジオングとは、『ガンダム』に登場するモビルスーツ(ロボット)の一種で、主人公のアムロ・レイが所属する地球連邦軍の敵・ジオン公国軍の最終兵器。作品終盤では、アムロの最大の宿敵であるシャア・アズナブルがこのジオングに乗り込み、アムロとの最後の戦いを繰り広げたことでも有名です。

「足は付いていない」
「あんなの飾りです。偉い人にはそれがわからんのです」

ジオングを初めて見たときのシャア・アズナブルとジオン公国軍のロボット整備士のこの有名なやりとりにあるように、ジオングは同作に登場する人型ロボット兵器のなかでも「足がない」のが特徴のひとつです。

しかし、この「ロボットの足は飾りである」という発言は、ファンにとっても大きな疑問でした。そこで、福岡工業大学工学部知能機械工学科でロボット工学に携わる木野仁教授に、「足がないロボットは本当に有利なのか」を解説してもらいました。

「まず、ガンダムの世界でロボットの姿勢を制御するのに使われているのが、AMBACシステムという架空の技術です。簡単に言えば、力学の『作用・反作用』を使うことで、宇宙空間におけるロボットの方向や姿勢を制御できるシステムなんですね」

作用・反作用とは、物理力学における重要な現象のひとつ。壁を手で押すと壁が手を押し返す現象や、銃を撃つと弾が発射される反動で体が後ろに引っ張られる現象などに代表されるように、対象に力を加えた際に、加えた分の力の負荷が自分にかかるという現象です。ガンダムの世界では、この作用・反作用を利用し、足や手、羽などの可動股を動かすことで機体を回転させ、宇宙空間でロボットの方向転換を行う設定になっています。

「可動部が多ければ多いほど繊細な動きができるので、その点では足があったほうが便利。ただ、あまりに複雑な形状だと、計算が難しくて、逆にコントロールしづらくなるので、宇宙空間での戦いにおいては、整備士の『足は飾り』という言葉は基本的に間違っていないのではないかと思います」

では、宇宙空間ではなく、地上での戦闘を考えた際はどうなるのでしょうか。

「ロボットの二足歩行は決して燃費はよくありません。特に地面に起伏や段差がある場合は、細かい動きも要求され、エネルギーを使います。ジオングは地面の条件に関係なく、空中浮遊してバーっと移動すればいいので、細かい動きを無視できる分、効率が良いと言えるかもしれません」

だが、これはあくまでロボットが走ったり、ジャンプしたりと、激しい動作をしていることを想定した場合の話だ。

「反対に、歩かずに立ち止まっている状態だと、足があるロボットはエネルギーをほとんど使わずに済みますが、ジオングの場合は、停止している間もずっと飛んでいなければならないわけですから、燃費は悪いです。

ただ、ガンダムの世界には『ミノフスキークラフト』というエネルギーをあまり使わずに浮いていられる架空の技術があるので、もしもジオングにその機能が搭載されているなら、足のあるロボットより有利と言えるかもしれませんね」

ジオング整備士の言葉は、間違ってはいなかったのです。

◆ケトル VOL.35(2017年2月14日発売)

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