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文芸書

復刻版 昭和の劇

『復刻版 昭和の劇』 著:笠原和夫、絓秀実、荒井晴彦

価格

9,900円
(本体9,000円+税)

判型

A5ハードカバー

ページ数

605ページ

ISBNコード

9784778317461

搬入年月日
[?]

2021.4.9
※各書店・ネット書店により、購入可能となる日は異なります。

書籍の説明

ついに復刻。
やくざ、天皇、テロリズム、共産党......日本最大の脚本家・笠原和夫が膨大な取材と激烈な作劇で斬り込んだ昭和の闇。

平成14年(2002)発行の『昭和の劇 映画脚本家 笠原和夫』初版の復刻版として令和3年(2021)発行。
膨大な取材、激烈な作劇で昭和の闇に切り込んだ日本最大の脚本家・笠原和夫が荒井晴彦、絓秀実とともに自身の作劇史に臨む。

<笠原和夫・主要取材人物>
美能幸三(呉・美能組組長)
服部武(広島・共政会二代目会長)
高山登久太郎(四代目会津小鉄会長)
菅谷政雄(神戸国際ギャング団首領・山口組若衆)
加納貢(安藤組)
小川薫(総会屋)
児玉誉士夫(右翼)
赤尾敏(右翼)
瀬島龍三(伊藤忠商事特別顧問)
小沼正(血盟団事件井上準之助殺害犯)
丹野セツ(第二次日本共産党員)
河野司(二・二六事件遺族会会長)
清原康平(二・二六事件参加将校)
麻生和子(吉田茂三女)
逸見吉三(アナーキスト)

<「著者付言」より>
この本は、昭和三十三年から平成六年までの三六年間、シナリオライターとして働いてきた私の経過表です。その間、作品に関わる多方面の方に面接取材をして一般に知られるところが無い歴史や事実の真相を得ることが出来ました。
本来は、公的の資料と突き合わせて真偽を確かめてから公表すべきものですが、私は歴史というものの生々しい息吹を伝えたいと思い、そうした確認は一切行わずにここに掲載しました。したがって一夕の余話として看過してくださればいいのですが。
ただ、ここに揚げた証言は取材に応じてくれた方々の率直な発言であり、私が何ら粉飾したことはないことだけは明言いたします。
―― 笠原和夫

目次

◆私の焼跡
◆笠原和夫年譜【昭和二年―昭和二九年】

第一部 ひばり映画と時代劇
 デビューするまで
 美空ひばりと時代劇スター
 マキノ雅弘との出会い
 リアリズム時代劇

◆『いれずみ決死隊』シナリオ
◆笠原和夫アルバム①

第二部 やくざ映画の時代
 やくざ映画の黎明期 『人生劇場 新飛車角』『めくら狼』『十一人の賊軍』
 やくざ映画のスタイル 『日本侠客伝』シリーズ 『股旅三人やくざ』
 身体障害者と不能者 『博徒七人』『懲役十八年』
 やくざ映画の女と、人間の腐臭 『日本大侠客』『日本侠客伝 斬り込み』
 傑作『博奕打ち 総長賭博』 『博奕打ち 総長賭博』『博奕打ち 殴り込み』『横紙破りの前科者』『博徒列伝』
 テロリズム礼賛 『日本暗殺秘録』
 藤純子とやくざ映画の衰退 『緋牡丹博徒 鉄火場列伝』『日本侠客伝 昇り龍』『博奕打ちいのち札』『女渡世人 おたの申します』『関東緋桜一家』

◆『仁義なき戦い』の三百日

第三部 『仁義なき戦い』と実録路線
 広島やくざ戦争『仁義なき戦い』四部作
 特別攻撃隊 『海軍特別攻撃隊』『あゝ決戦航空隊』
 日本共産党 『実録・共産党』
 警察 『県警対組織暴力』
 総会屋・沖縄やくざ戦争 『暴力金脈』『沖縄進撃作戦』
 在日朝鮮人 『やくざの墓場 くちなしの花』
 虚構(フィクション)の崩壊 『人生劇場』『西鶴一代男』『真田幸村の謀略』

◆笠原和夫アルバム②

第四部 戦争映画と天皇
 日露戦争 『二百三高地』『日本海大海戦 海ゆかば』
 太平洋戦争 『大日本帝国』『零戦燃ゆ』『昭和の天皇』

◆戦争映画ノート

第五部 日本映画界の衰退
 映画界の変質・プロデューサーの不在 『愛・旅立ち』『三国志』『玄海つれづれ節』『天山を越えて』他
 女郎とパンパン 『吉原炎上』『肉体の門』
 描けなかった二・二六事件 『226』
 幕末とブルジョワ革命 『浪人街』『動天』『福沢諭吉』
 戦後と占領 『仰げばと尊し』『吉田茂』

◆笠原和夫・映画脚本リスト
◆著者付言
◆あとがき

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著者プロフィール

笠原和夫(かさはら・かずお)
昭和2年(1927)東京生まれ。脚本家。新潟県長岡中学を卒業後、海軍特別幹部練習生となり大竹海平団に入団。復員後、様々な職につき、昭和29年(1954)、東映株式会社宣伝部に常勤嘱託として採用される。昭和33年(1958)、脚本家デビュー。美空ひばりの主演作や時代劇、『日本侠客伝』シリーズ、『博打打ち 総長賭博』をはじめとする東映任侠映画、『日本暗殺秘録』、『仁義なき戦い』四部作、『二百三高地』『大日本帝国』『226』等を執筆。平成14年(2002)死去。

荒井晴彦(あらい・はるひこ)
昭和22年(1947)東京生まれ。脚本家、映画監督。日本映画大学教授。「映画芸術」誌スタッフに加わったのち、若松孝二のプロダクションでシナリオ執筆。『赫い髪の女』『遠雷』『Wの悲劇』などで日本を代表する脚本家に。平成元年(1989)から「映画芸術」編集長。平成9年(1997)『身も心も』で初監督。平成15年(2003)『ヴァイブレータ』で各賞受賞。

絓 秀実(すが・ひでみ)
昭和24年(1949)新潟生まれ。文芸評論家。著書に『革命的な、あまりに革命的な』、『吉本隆明の時代』、『1968年』、『反原発の思想史 冷戦からフクシマまで』、『天皇制の隠語(ジャーゴン)、編書に『ネオリベ化する公共圏』など。

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