カゲプロアニメ版監督 目指すは「中高生がカッコいいと思えるような映像」

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「じん」が展開してきたメディアミックスプロジェクト「カゲロウプロジェクト」が、新房昭之氏監督のもとでこの4月、アニメ化された。動画音楽や小説、マンガを組み合わせた「カゲプロ」は、すでに中高生を中心に爆発的な人気だが、新房監督はその作品をどのような形で世に送り出そうとしたのだろう? 現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.113で、新房氏はこう語っている。

「やっぱり原作を中高生が支持しているので、まずはそのファン皆さんに喜んでもらえるようなものにしたいなぁと思いました。でもそれと同時に、それより上の世代である20代や30代の人たちにもアピールできないものかなぁとも考えましたね」

これまで『魔法少女リリカルなのは』『ネギま!』『魔法少女まどか☆マギカ』など、数々のヒット作品を手がけてきた新房氏。そんな“百戦錬磨”の彼は、「カゲプロ」が中高生に支持される理由を、どう見ているのだろう?

「作品の持つ雰囲気ではないでしょうか。中高生の頃には、ケレン味が好きなところってあるじゃないですか。『人は気付いていないけど、俺はここを見ているんだ』みたいな、そういう尖った部分がこの作品にはあると思うんですよね。登場人物も、そういういう良さのあるキャラクターだと思うんですよ」

より上の世代にも支持されることを期待しつつも、スタッフに対しては「中高生がカッコいいと思えるような映像を作ろう」とディレクションしているという新房氏。それを実現するための苦労を、

「特に最初の頃に話したのが、『照れずにやれ』ということです。そういう感じを出すには、やはり我々が照れて『こういうのが好きなんでしょ?』みたいな態度ではダメなんですよ。『これが最高だ!』と思って作らないといけない。だからとんがった感じを全力で、カッコよくやってほしいと言いました」

と、語っている。

◆『クイック・ジャパン』vol.113(2014年4月12日発売/太田出版)

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『クイック・ジャパン』vol.113

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。