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文=柴那典 ※本企画はcakesで公開された記事を再録したものです。

ゼロ年代のインターネットから生まれた熱気とエネルギーをドキュメント、エモーショナルに描き切った話題沸騰のボーカロイド音楽史『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』の大ヒットを記念して、著者・柴那典さんが本書の読みどころを"音源"付きでご紹介! ニュー・オーダーの名曲「ブルー・マンデー」からryo(supercell)の「ODDS & ENDS」まで、もう読んだ人もこれから読む人も、本書に登場する名曲たちを爆音で聴きながらお楽しみください!!

第9章
浮世絵化するJポップとボーカロイド
 × 黒うさP(WhiteFlame)
 × じん(自然の敵P)
 × THE BACK HORN

chapter9-index
「千本桜」は何故ヒットしたのか 214
「カゲロウプロジェクト」が受け継いだ一〇代の魂 219
「浮世絵化するJポップ」とボーカロイド 225
ボーカロイド「高速化」の理由 231

黒うさP(WhiteFlame)「千本桜」
じん(自然の敵P)「カゲロウデイズ」
THE BACK HORN「ビリーバーズ」

2011年は、初音ミクを巡る現象、勃興期の熱気が一つのピークに達した時期でした。そして、この年には10年代のインターネットと音楽のシーンを象徴するような二つの楽曲が生まれています。

 一つが、黒うさP(WhiteFlame)による「千本桜」。そしてもう一つが、じん(自然の敵P)による「カゲロウデイズ」。この章では、この二曲が象徴し、Jポップのシーンにも波及した「物語音楽」と「高密度ポップ」の流れを分析します。

 じんが自身のルーツにあげ、たびたびその影響を語っていたのが、ロックバンドTHE BACK HORN。そのギタリスト菅波栄純との対談を通して、彼が10代に届けたいと願うメッセージを読み解きます。

第10章
初音ミクと「死」の境界線
 × 渋谷慶一郎

chapter10-index
揺らぐ「いる」と「いない」の感覚 234
創造をもって死を乗り越える、ということ 240
パリ・シャトレ座に響いた「終わり」のアリア 246

渋谷慶一郎+初音ミク「THE END」

初音ミクは、2012年から2013年にかけて、それまでと違う新たな展開を見せるようになります。もはやボーカロイドを「アマチュアの遊び道具」だと鼻で笑うような人はほとんど居なくなりました。初音ミクが、プロの音楽家、キャリアのあるクリエイターが本気で挑む対象として捉えられるようにもなっていったのです。その象徴が、渋谷慶一郎+初音ミクによるボーカロイドオペラ『THE END』でした。

初音ミクが「生きる」ということを、そして「死ぬ」ということを問いかける「THE END」。それは「いる」と「いない」の境目を感じさせるボーカロイドならではの表現でした。パリのシャトレ座でも喝采を集めたその芸術的な意味合いの大きさを深く掘り下げます。

終章
未来へのリファレンス
 × BUMP OF CHICKEN

epilogue-index
最初は消えそうなくらい小さな炎だった 258
初音ミクと「情報革命」 262
消耗品になってほしくなかった 267
ブームは去っても、カルチャーは死なない 269
新しい音楽文化の可能性 274
音楽の未来、クリエイティブの未来 279

BUMP OF CHICKEN feat.初音ミク「ray」

そして最終章は未来の話。これまでの章では初音ミクが巻き起こしたムーブメントの様々な足跡を辿ってきましたが、この章では、再び「生みの親」であるクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長へのインタビュー取材の内容を、そのまま掲載しています。

テーマは、21世紀に生まれた新しい音楽文化の持つ可能性について、そしてインターネットとクリエイティブがもたらす新しい価値観について。

初音ミクに興味がない人でも、ここを読んでいただければ、伊藤社長の考えていることが「新しいクリエイティブビジネスにとってのリファレンス」であることが伝わるのではないかと思います。

この本で触れることはできませんでしたが、3月には日本を代表するロックバンドBUMP OF CHICKENと初音ミクのコラボレーション楽曲も発表され、大きな反響を巻き起こしました。

登場から6年。初音ミクが音楽の歴史を塗り替えていく、そんな歩みはまだまだ続きそうです。21世紀に生まれた新しいテクノロジーが、新しい音楽の歴史を切り拓いていく。そんな時代に、我々は立ち会っていたのだと思います。

「僕らはサード・サマー・オブ・ラブの時代を生きていた」

時代を変える熱気が、そこには確かにあった。2007年からの歩みを振り返ると、そんなことを改めて感じてしまうのです。


絶賛発売中の『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』、ぜひ書店でお手にとってご覧ください。

本書について

初音ミクはなぜ世界を変えたのか?
柴那典
価格:1,600円+税
発売:2014.4.3
新しい文化が生まれる場所の真ん中には、インターネットと音楽があった。2007年、初音ミクの誕生と共に始まった3度目の「サマー・オブ・ラブ」とは。気鋭の音楽ジャーナリストが綿密な取材を元にその全貌を描ききる、渾身の一作!
Amazonで購入
お試し読み(YONDEMILL) 序章全文公開中!
このほかの取り扱い電子書店やフェア情報は太田出版書籍案内ページにて。



〈プロフィール〉

柴那典

しば・とものり。1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンで『ROCKIN’ON JAPAN』 『BUZZ』 『rockin’on』の編集に携わり、その後独立。雑誌、ウェブメディアなど各方面にて編集とライティングを担当し、音楽やサブカルチャー分野を中心に幅広くインタビュー・記事執筆を手掛ける。主な執筆媒体は『ナタリー』 『Real sound』 『ミュージック・マガジン』 『クイック・ジャパン』 『CINRA』 『NEXUS』など。本書が初の単行本となる。

ケイクス(cakes)

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