INTERVIEW FILE 020 やついいちろう
Sep 26, 2018

INTERVIEW FILE 020 やついいちろう (エレキコミック)

さて・・・2年半の沈黙を破り、突如復活しました「槙田紗子のマキタジャーナル」! 皆さん、スタンディングオベーションで槙田紗子をお迎えください。この間、彼女は自らの名前を冠したフェスを企画・主催するまでになりました。そして記念すべき復帰号のゲストは、自ら「やついフェス」を企画し、今や押しも押されぬ都市型フェスの代表格に育て上げた、やついいちろう(エレキコミック)さん。フェスの大先輩として、槙田さんも、やついさんから学ぶところが多かった模様です。まずは、この対談を読んでから、11月9日の「サコフェス」、そして「やついフェス」に足を運んでください!

編集=原利彦 文=槙田紗子

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INTERVIEW FILE 020 やついいちろう 写真1
INTERVIEW FILE 020 やついいちろう 写真2
INTERVIEW FILE 020 やついいちろう 写真3
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槙田 「今日はお忙しい中、お時間いただきありがとうございます。」

やつい 「いやいや。」

槙田 「ヴィレッジヴァンガードと連動して、『マキタジャーナル』という連載が2年半前までありまして。私が会いたい人に会いにいって、インタビュアーになって原稿も書くという。で、一度終わったんですけど、再開することになりまして。」

やつい 「そうなんですか。」

槙田 「そうなんです。私、今、振り付けの仕事をしていて、昔と違って裏方もやり始めたので、また会って話を聞きたい人が変わってきそうな感じで。再開の1発目として、是非やついさんにお会いしたいなと。」

やつい 「あ、僕1発目なんですか?」

槙田 「そうです。実は私11月にサコフェスというフェスを初めて主催することになって、それにあたり、やついフェスをやられているやついさんにお話を聞けたらと思いまして。」

やつい 「何でも聞いてください。」

槙田 「ありがとうございます。よろしくお願いします!」

やつい 「お願いします。」

槙田 「まず、やついフェスを始めたきっかけを教えてください。」

やつい 「サニーデイ・サービスの曽我部恵一さんに『やつい君、そろそろフェスやったら。』って言われて、、、で、やりました(笑)。」

槙田 「元々DJもやられていますよね。」

やつい 「そうですね。」

槙田 「それで音楽関係の方との繋がりが多かったんですか?」

やつい 「それもあったんですけどね。MIX CDを出してて、こういう感じでフェスやればいいじゃんって、曽我部さんに言われたんです。それがきっかけですね。」

槙田 「やろうと思っても、実際にやり始めるのは、すごく大変じゃないですか。」

やつい 「ね〜。」

槙田 「どこら辺まで、やついさんご自身が動いてやられていたんですか?」

やつい 「元々オールナイトとかで自分のイベントはやっていて。お笑い出て、バンド出て、DJやってみたいな。あれを大きくすればいいだけだなってちょっと思っていて。そしたら、シブヤテレビジョンっていう会社から、うちの五つの会場(0-east、O-west、O-nest、O-Crest、duo)を使った周遊イベントをやってくださいって話が来たんですよ。」

槙田 「そのタイミングで!たまたまですか?」

やつい 「そう。」

槙田 「すごい。」

やつい 「普通だったら、やめておこうかな〜って思うけど、たまたま曽我部さんにフェスやったらって言われてたこともあったから、じゃあこれでやればいいのかなと思って、始めたという感じです。」

槙田 「へえ〜!フェスを始めるにあたって、どういうフェスにするか、ご自身の中でのコンセプトはあったんですか?」

やつい 「そうですね、シブヤテレビジョンさんからやって下さいって話が来たことで、僕がやらせてくださいって言うのとは少し違う感じで進められたのが良かったのかなと思うんです。その分スタッフさん達からは、本当にやれんの?みたいな信頼がない状態も最初はありました。なので、周遊イベントやる前にO-eastを借りてプレみたいなことをやったんです。それが売り切れて、イベント自体もすごく盛り上がったことで、スタッフさん達も信用してくれて。そこから始まったのでやりやすかったです。最初はやっぱり芸人だし、お前本当にできんのか?みたいなのはありました。現場の人は、上の人からこれやれって言われているだけで、やる気はそんなにないわけですから。だから、信用されるかどうかっていうのは大事だと思いましたね。」

槙田 「最初は、やっぱり初めてだから、前例がないじゃないですか。スタート時ならではの苦労とかありましたか?思い返せば、今と全然違ったな、みたいな。」

やつい 「うーん、その都度その都度の大変さがあるから、始めるときの辛さってほとんどなかったですね。だって向こうから言ってもらって会場も決まったし。オファーは自分で電話をしたりしてたけど。」

槙田 「へ〜!」

やつい 「でもそれってずっとしてたことだし。」

槙田 「あ〜。そうですよね。」

やつい 「それに対して、大変とか思ったことがなかったですね。飲んでた仲間とか、友達とかにこういうのやるから出てよって言って出てもらっていたから。最初は全然楽でしたね。いや、楽とは言わないけど、そんなに苦労したという感覚はなかったです。大変なのはスタッフ周りじゃないですか、やっぱり。」

槙田 「ご自身の名前が、フェスの名前じゃないですか。プロデューサー的な立ち位置もありながら、出役にもなる。その中で、自分の出方のバランスみたいなのは第一回目から今に至るまで、ずっと変わっていないんですか?」

やつい 「そうですね。もともと続けるつもりがなかったもんですから。」

槙田 「そうなんですか!?」

やつい 「はい。だから『やついフェス』でいいんじゃない?って言ったんですよね。」

槙田 「まあ次やるか分かんないし、みたいな。」

やつい 「うん。次やるか分かんないし、まぁ僕がやってるし。だからもう『やついフェス』でいいかなと思ったんです。」

槙田 「ここまで続いた理由は何だと思いますか?」

やつい 「自分がやっていて楽しかったっていうのと、あとは実際問題、お客さんが入ったということじゃないでしょうか。」

槙田 「そうですよね。」

やつい 「はい。人が来ないと続けられないですからね。」

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