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スペシャル

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平成26年度[第18回]文化庁メディア芸術祭において、
沙村広明『春風のスネグラチカ』が優秀賞を、
ルネッサンス吉田『愛を喰らえ!!』が新人賞を、
それぞれ受賞されました。
2月3日に行われたメディア芸術祭受賞作品展の内覧会と、贈呈式の模様をお伝えします。

とても良い天気の中、乃木坂駅が最寄りの国立新美術館へ。
受付では、赤いバラのコサージュをいただきました。

もちろん、右側の大きい方が受賞者のコサージュです

内覧会

さっそく、受賞作品展の内覧会へ。2階の企画展示室2Eで行われている受賞作品展は、アート部門、エンターテインメント部門など部門別に分かれていて、マンガ部門は一番奥。まずは脇目もふらずマンガ部門に突進します。
大賞作品『五色の舟』のコーナーの先に、まずは『愛を喰らえ!!』の展示が見えます。
遠くからでも一目で分かる……というのは、壁一面にあの印象的なモノローグがプリントされているからです。

実は、『愛を喰らえ!!』単行本のモノローグフォントは、本書を装丁してくださった竹智さんがすべて作ってくださいました。そのデータを印刷会社さんにご提供いただき、この展示にも使用しています。
作品世界が伝わる展示にテンションが上がります。

原画も展示されています

そして、一番最後の大トリとも言える位置に、『春風のスネグラチカ』の展示があります。

こちらでは、カラー原画と鉛筆描きの原画を額に入れて絵画のように展示していただいています。(他の展示はパネルが多いので、異彩を放っています!)
展示担当者の方が打ち合わせにいらした時にこの原画を見て、「展示が見えました。画廊のようにしましょう」と仰り、この展示内容はすぐに決まりました。本当に絵画の展覧会を見ているようです。

モノクロ原稿も多数展示されているのですが、よく見るとそこには沙村さんからアシスタントさんへの指示が書き込まれています。しかも、「保安官」など『スネグラチカ』の世界には出てこない言葉が……。沙村さんに伺ったところ、これはアシスタントさんとの間だけで通じる“トーンの名前”なんだそうです。保安官を描く時にを初めて使ったから、そのトーンの名前は「保安官」。他にも色々あるそうなので、原稿に目をこらしてみてください。

マンガ部門展示の全景
マンガを読める休憩コーナーもあります

取材、そして海外のファンが!

その後、報道陣による取材と撮影が行われ、沙村さんと吉田さんもパネルにサインを行いました。

ボケてしまいました……申し訳ありません!

なんとこのあと、アニメーション部門で優秀賞を受賞されたBouさんという方が沙村さんの前に現れ、
“Are you Hiroaki Samura? I'm a big fan of you!!”
とブンブン握手し、サインをリクエストしていました。

アルゼンチンからいらしたというBouさんですが、「アルゼンチンでも『無限の住人』は大人気。大きい愛蔵版とふつうサイズのコミックが出版されていて、両方持っています」と仰っていました。

※Bouさんの受賞作はこちら。→ 『Santiago 'Bou' GRASSO』(メディア芸術祭 受賞作品情報)

ついに贈呈式!

簡単なリハーサルのあと、ついに贈呈式が行われます。

まずは沙村さんが賞状とトロフィーを受け取ります。沙村さんにとって、メディア芸術祭優秀賞は二度目の受賞。おめでとうございます!

吉田さんもつつがなく受け取ります。あとで触らせていただいたのですが、トロフィーはかなり重いです。

この後は、祝賀会で審査員の皆様や他の受賞者の方々とお話をしたり、おいしいスパークリング日本酒を楽しんだり(おつまみは升に入った節分豆でした)。
体力勝負のめでたい1日になりました。

最後に

これが、メディア芸術祭賞のトロフィーです!!

メディア芸術祭・新人賞、優秀賞のトロフィー

沙村さん、吉田さん、おめでとうございます!!
また、『春風のスネグラチカ』と『愛を喰らえ!!』をご愛読くださっている皆様、ありがとうございます。
これを機に、もっとたくさんの方々にも読んでいただければ嬉しいです。
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マンガ部門受賞者プレゼンテーション
「マンガを喰らえ!! ~『愛を喰らえ!!』の言葉とロマンス」

ルネッサンス吉田さんがメディア芸術祭の受賞者プレゼンテーションに登壇されます。
ぜひご来場ください。

◆日時 2月8日(日)12:00-13:30
◆会場 国立新美術館[3階 講堂]
◆定員 250名 ※要事前申し込み
詳細はこちら→ メディア芸術祭 イベント情報
◆出演 
ルネッサンス吉田/マンガ部門新人賞『愛を喰らえ!!』
すがや みつる/マンガ部門審査委員(マンガ家/京都精華大学教授)
◆モデレーター 
ヤマダ トモコ(マンガ部門審査委員/マンガ研究者)

[第18回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品展

受賞作品展は、2月4日から2月15日まで開かれています。

◆会期 2015年2月4日(水)~2月15日(日)
◆会場 国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2) ※2月10日(火)休館
   10:00~18:00 金曜は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
   シネマート六本木(東京都港区六本木3-8-15)
   スーパー・デラックス(東京都港区西麻布3-1-25 B1F)
   ※開館時間、休館日は会場によって異なります。
   ※『春風のスネグラチカ』『愛を喰らえ!!』は、国立新美術館に展示されています。
   詳細はこちら→ メディア芸術祭 開催概要

受賞作品

『春風のスネグラチカ』
沙村広明
発売:2014.7.10

車椅子の少女と物言わぬ従者。 互いの他に、信じるものなどない二人。
◆極寒のロシアを舞台に沙村広明が描く、戦慄の歴史ロマン。
◆1933年、ソビエト連邦カレリア自治共和国。とある別荘(ダーチャ)の管理人であるイリヤ・エヴゲーニヴィチ・ブイコフは、車椅子の少女・ビエールカと物言わぬ従者・シシェノークに出会い、奇妙な賭を申し込まれる。なぜ彼らはこの地を訪れたのか、どこからやってきたのか。そして互いだけを頼りに生きる二人が背負う、密かな宿命とは――。とある名家にまつわる、喪失と奪還の物語。

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『愛を喰らえ!!』
ルネッサンス吉田
発売:2013.11.15

――男が嫌いだ、心の底から。
◆男が嫌い。家族が憎い。自分自身を傷つけたい。でも心の底では、愛したいと願っている。
この物語は、古い花街で風俗店の店長として生きる女・百花の傷と恢復の軌跡である。男に身体を犯され、性の対象とされることに憎悪を抱く彼女は、男を男に売ることに歪んだ悦びを覚えている。女三代を絡めとる深い業に、終わりはあるのか。 画面を埋め尽くすモノローグと、執拗に繰り返される強迫的な会話――マンガ界の異端児・ルネッサンス吉田が過剰な言葉をもって描き出す、絶望とロマンス、そして救済のすべて。

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