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フリーライター・九龍ジョー「どれだけ“いらんこと”をするかが重要」

 映像制作会社、築地市場の仲卸、広告代理店、出版社......数々の職種を経てフリーのライター・編集者になった九龍ジョー。仕事を通して多種多様な生き方の人々に関わってきた経験から、フリーランスのライターという自身の生き方について聞いた。

*  *  *
 いろんな仕事をしてきましたけど、仕事と関係なく楽しんでたことが結果としていちばん仕事に繋がっているような気がしますね。映画観て、ライブに行って、芝居を観て、バカな遊びを考えて、友達とおしゃべりして、面白かったことを伝えるっていう。昔の同級生たちに会うと「お前は昔っからホント変わらないな」って笑われますよ(笑)。もともと仕事じゃなくてもやってたことなのでお金になってるのが不思議なんですけど、いちおう伝える相手、つまりは読者と媒体については意識しています。逆に言うと、接点ありそうでなさそうなことを媒介するのが面白いですね。演劇ファンにお笑いコントの凄さを紹介するとか、音楽ファンに落語の魅力を伝えるとか。クロスオーバーってことじゃなくて、同じように楽しめるはずっていう確信があるんです。そういう根拠のない確信に支えられてここまできました(笑)。

 たまたま仕事の流れで20代も後半にさしかかって辿り着いた出版の世界で、わりと暗中模索でやってたんですけど、気がついたら、勝手に「師匠」と呼ばせてもらいたくなるような方が何人かできてきたんですね。それでよくよく観察してみると、師匠にもやっぱりさらに上の師匠がいるんですよ。そう考えていくと、自分はわりと自由に本を編集したり、原稿を書いたりしているつもりだったんですけど、実は出版やカルチャーの大きな流れの中でチャプチャプ泳いでるにすぎないんだなってことがわかって。それからは会社員とかフリーとかはあまり関係なく、そういう流れの中で恥ずかしくない仕事をしたいなっていうことを思うようになりました。

 あと、フリーになってからとくに考えるようになったのは、替えの利かない仕事がしたいっていうことですね。それも自分がやりたいことというよりは、誰かがやるべきなんだけど、誰もやってない仕事。右見て左見て誰もいない、じゃ、オレやります! っていう(笑)。7を9にする仕事より、0を1にする仕事のほうが僕は楽しめるんですよね。ただ、すべてがそうもいかないので、だったら7を10にするためにがんばろうってことも当然ありますけど。

 なんだかんだ、最近はますます仕事じゃないことのほうが超重要になってきていますね。仕事と関係なく会いたい人に会ったり、行きたい場所に行ったり、遊んだり。そこでコラム用のネタを拾うっていう色気もなくはないんですが(笑)。20前後の若い子たちのバイトや恋愛話を聞いたりするのがいちばん楽しかったりしますよ。彼らに自分が面白いと思うこともぶつけてみて、通じるかどうかが重要なんです。そうやって仕事と関係なく、常に刃を研いでおくっていう意味でも、"いらんこと"をいっぱいしていきたいですね。


【プロフィール】
1976年生まれ。ライター/編集者。いくつかの職種を経たのち出版社勤務を経てフリー。『KAMINOGE』『クイック・ジャパン』『CDジャーナル』『宝島』『アクチュール』『シアターガイド』の各誌にて連載中。その他、週刊誌や文芸誌からWEB媒体、パンフなど幅広く原稿執筆。編集近刊は、吉田豪『サブカル・スーパースター鬱伝』、坂口恭平『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』、『DOMMUNEオフィシャルガイドブック2』など。

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