脱力系映像作家の坂本渉太の“突き抜け”方
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脱力系映像作家の坂本渉太の“突き抜け”方

 関西出身の脱力系映像作家の坂本渉太。子どもの頃から人を笑わすことが好きで今でも一番尊敬するのはお笑い芸人だという。「笑い」や「意味の無さ」を主軸とした脱力感満載の突き抜けた映像作品が魅力の彼だが、その作品づくりや私生活も、ある意味で突き抜けていた......。

*  *  *
 大学で遊んでばっかりいたら就活に全部落ちてしまって、やることなくて暇つぶしに映像を作りはじめたのが始まりなんです。それを自分のHPにアップしていたら、バンドをやっている友だちにPV制作を頼まれて、作ったら褒めてもらえて......そんな感じで成り行きで映像作家になりました。

 僕は、PVを制作するとき、曲をノイローゼになるまで聴きまくって、頭をおかしくさせています。普通の思考では作品に自分らしさがでないので、私生活からすべてをおかしくさせるくらい聴き入る覚悟で取り組んでいます。実際、そんなふうにして4、5年くらい全く働かず、本当に好きなことだけして借金だけで生活を続けていました(笑)。

 その方がいい結果になることが多いです。ミュージシャンだとステージで暴れて何かが降臨したりしますけど、映像作家だとステージがないですから、僕はデスクで頭をおかしくさせて、すなわち私生活を狂わせていくという(笑)。

 僕の場合、気をつかえば気をつかうほど、社会的になればなるほど、いいものが作れないんです。いま、SNSも一通りやっているけど最近やめたいなと。まわりの目を気にしたら、それが作品に反映されてしまうし、ある意味、"突き抜けられない"と思うんですよ。
 
 作品を作るのって、テクニックとアイデアと個性だと思うんですけど、僕はテクニックが大幅にないから、ああいう脱力系の作風になったんだと思います。これからも、みんなが見て楽しんでもらえるような作品を作り続けたくて、そこはこの先もきっとブレることはないですね。今後も無意味な存在というか、おもしろ人間......いや、「ポップ」になりたいです!
 
【プロフィール】
1981年生まれ。同志社大学商学部卒業後、フリーランスとしてMV・アニメー
ションを中心にイラスト、漫画、音楽制作など多岐に渡って活動中。「SPACE
SHOWER MUSIC VIDEO AWARDS 2010 オルタネイティブ部門」ノミネー
ト、「ロサンゼルス映画祭ミュージックビデオ部門」正式招待、「onedotzero
festival 2011」J-star11選出。
http://www.shotasakamoto.com

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