INTERVIEW 010 水島精二さん
INTERVIEW 010 Feb.09.2017

水島精二さん (アニメーション監督)

アメリカンガールズロックユニット・PASSPO☆によるインタビュー連載企画! 第10回目のゲストは、アニメーション監督の水島精二さん。これまでに携わられた作品の制作裏話を交えながら、作品への譲れないこだわり、集中力を途切らせないための仕事術など……タメになるお話をたっぷりお届けします!

編集=原カントくん、岸野愛 撮影=川村将貴
INTERVIEW 010 水島精二さん 写真1
INTERVIEW 010 水島精二さん 写真2
INTERVIEW 010 水島精二さん 写真3
INTERVIEW 010 水島精二さん 写真4

岩村 「振り返ってみて、大変だったな?って思う作品はありますか?」

水島 「一番大変だったのは、スケジュールがとにかくなかった作品ですね。特に『夏色キセキ』は、企画自体は4年ぐらいかけてやっていたらしいんですけど、うまく形にならなくて。放送まで1年もないという段階で、監督が降板したみたいで、水島くんに頼むしかない!って、半ば押し付けられたんですよ(笑)。『貸しだからな!』って言いながらやったんですけど、それが本当に時間なくてしんどかったです。ストーリーを決めるところからのスタートだったのに、すべてのプロセスを本当に短い期間でやらなきゃいけなかったので……」

藤本 「徹夜とかもあったり?」

水島 「ガーッて作業して、本当に耐えられなくなってバタッと寝て、目が覚めたらまたすぐに机に向かって……とか。そういう生活をしていると脂っこいものとか全然食べられなくなるんですよ。野菜と水と豆乳だけ、みたいな」

藤本 「逆に覚醒したみたい(笑)」

水島 「この食事だと胃がもたれないっていうのが分かって、それを繰り返していたんです。でも作品が終わってスタッフに『お疲れさま』って言いに行ったら、『小さくなった』って言われて。何言ってんだよって思ったんですけど、体重計に乗ったら3か月で12キロ痩せてた」

PASSPO☆ 「えー!!!」

水島 「ハハハハハ(笑)」

玉井 「頭使うだけでだいぶカロリー消費するって言いますからね!」

水島 「そうですね。作業部屋には体重計もないし、自分がどういう状態になっているかがわかんなかったんです」

玉井 「すごい。そんな中でどう息抜きしていたんですか?」

水島 「集中力が途切れたときはネット見たり、アイドルのビデオを見たりしていましたね。今もですけど、ハロヲタの部分があるので」

玉井 「そうなんだ」

岩村 「ハロプロだとどの子が好きですか?」

水島 「田中れいなさんが」

PASSPO☆ 「え?!!」

岩村 「意外!」

水島 「そうですか?(笑) 僕、ハマったのがプラチナ期って言われている随分前のことなので。今はちょっとお仕事で絡んだりもしています」

PASSPO☆ 「お?!」

水島 「ただ、アイドル的に言うと割とクソDDなので。PASSPO☆さんも音源は買っています」

岩村 「うれしい、ありがとうございます。いつでもライヴに遊びに来てください!」

水島 「ちなみに、もともとヘビーメタルとかハードロックとかが好きでよく聴いていて。『歌が好きだ、音楽が好きだ』って言っていたら、音楽雑誌から『連載やりませんか』って誘われて連載をすることになったんです。監督という仕事も演出っていう仕事の延長だし、そういういろんなことがだんだんつながっていくのが楽しいですね。今回のことも竹中先生(PASSPO☆の振付師)と知り合いになったおかげですし、まさかこんな対談ができるとは思っていなかったので嬉しいです」

岩村 「ありがとうございます!」

水島 「いろいろなことが人の縁だなと思って生きていますね」

岩村 「こうなりたい、絶対ああなる!とかじゃなくて、行き着いた先が今、みたいな感じ、面白いですね」

増井 「PASSPO☆も本当、みんながアイドルになるぞ!って思って入ったわけじゃなくて、行き着いた先がPASSPO☆っていう感じだから。今、ちょっと勝手な親近感を持ってしまいました(笑)」

安斉 「面白いものが作れればっていう感じもすごく分かります。アイドルも、決められたレールの上をしっかり歩くことが正解なほうもあるし、PASSPO☆みたいにやりたいことをやってつながっていった先が今、みたいな形もあるので。ジャンルは違えど、(共感できることが多くて)嬉しいです」

水島 「そう言ってもらえると僕も光栄です」